先行きが不安…番付発表延期に力士ら戸惑い
大相撲の野球賭博問題は、日本相撲協会が28日に予定されていた名古屋場所の番付発表の延期を発表、NHK幹部が現在の協会の対応では中継はできない、との見解を示すなど、場所開催までの道のりがさらに不透明さを増した。
「大変なこと」。相撲協会の陸奥広報部長はこの日の記者会見で番付発表延期の深刻さにうなだれた。
番付の発表は、場所に臨む約700人の力士全員が対象だ。1970年の初場所から、原則、本場所の初日の13日前の月曜日に発表されている。名古屋場所の新番付は、夏場所千秋楽後の5月26日に編成されたが、新十両への昇進力士らを除いて番付発表までは極秘扱い。28日は力士が心待ちにする日でもあった。
愛知県内の尾車部屋の宿舎で、新弟子の一人は「延期と聞いてびっくりしたが、まだ、本場所自体が変更になったとは聞いていないので」と言葉すくな。名古屋市内に宿舎を構えるある部屋の新弟子は「昨年、入門したばかりなのに、先行きが不安」と本音を打ち明けた。
3場所連続全勝優勝に挑戦する横綱・白鵬が所属する宮城野部屋の宿舎となっている浄泉寺(名古屋市緑区)。同寺の戸田直道は、連日のどたばた劇に「連勝記録も期待しているのに、残念としか言いようがない」と戸惑う。同部屋が滞在する約40日間は毎年平日でも数十人、土日には500人の住民らがけいこの見学に訪れる「夏祭り」のようなものだけに、戸田さんは「毎年楽しみにしている人も多い。何とか場所は開催してほしい」と話した。
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