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2006.01.11

長嶋さんが松井が辻内にエール!

0111プロ門出の日に大先輩から金言
 巨人・長嶋茂雄終身名誉監督とヤンキース・松井秀喜外野手の師弟コンビがスポーツ報知の取材に応じ、高校生ドラフト1巡目で入団した辻内崇伸投手に「スペシャルメッセージ」を送った。甲子園を沸かせた高校出の先輩として松井は〈1〉自分を見失うな〈2〉時間を有効に使え〈3〉マスコミには自然体で―と体験談を交えてエール。球団関係者を通じてメッセージを寄せたミスターは「江川、松井に並ぶ逸材」と絶賛し「巨人の輝く新星になってほしい」と激励した。辻内はこの日、川崎市多摩区のジャイアンツ寮に入寮。いよいよ本格的にプロ人生の幕が開ける。宙を見つめ、5秒は考えた。「う~ん。そうだなあ」松井は13年前の「あのころ」を思い出しながら切り出した。「まず一番にいえるのは『自分を見失うな』ってことだよね」この日、辻内がジャイアンツ寮に入寮したのを受け、一人の野球人としてメッセージを送った。
 かつて自分も体験した寮生活を、懐かしむように続けた。「時間を有効に使うことも大事だよね。オレは2年間しか寮にいなかったけど、集団生活でいかに時間をうまく使うかは本当に大切。そこで学んだことは、今にして思えばとても役立っている」ルーキー時代にしか味わえない貴重な体験を、無駄にしてほしくない。そんな思いが込められていた。
 松井と辻内。面識はない2人の怪物には、共通項が多い。ゴジラはアーチや5連続敬遠で甲子園を沸かせ、辻内はMAX156キロのスピードボールでアルプススタンドを魅了した。高校生のドラフト1位に指名され、クジ引きで巨人に入団した経緯も同じだった。野手と投手の違いはあれど、辻内は高校出の大物として「松井以来」とよくうたわれる。
 だから、マスコミの関心度は高い。対策はあるのだろうか。「そんなものないって。細かいところは球団の人が教えてくれるし、大事なのは自然体でやること。その中で自分の感性を磨いていけばいい」高校時代から注目を集めてきた人間にしか分からない、重みのある言葉。ゴジラからの最後のエールだった。
 今ではヤンキースの主砲として君臨する松井も、長嶋終身名誉監督がいなければここまでは成長しなかった。入団当初から「1000日計画」と銘打ち、長期的な視野で超一流の選手に育て上げた。そのミスターが球団関係者を通じ、コメントを寄せた。
 「辻内君の活躍はブラウン管を通じて拝見しました。甲子園という大舞台で臆することなく、156キロをマークするなど、底知れない潜在能力を感じました。投手では江川君、野手では松井選手に通じる器の大きさと星の強さを併せ持つプレイヤーだと見ています。若手選手の育成にたけた原監督のもと、巨人の輝く新星になることを期待しています」
 スターになれる逸材だと感じているから、原監督はキャンプでの1軍スタートを示唆している。2人の「超大物」からのメッセージを胸に、怪物左腕はプロの世界にはばたいていく。

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