井口WBC辞退
王監督ショック
米大リーグ、ホワイトソックスの井口資仁内野手が3月に開催される野球の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)の出場辞退を表明した。メジャー2年目にかける思いと、チーム事情を考慮した上で最終決断した。ヤンキース・松井秀喜外野手に続くメジャー野手の不参加。さらにレンジャーズにトレード移籍する大塚晶則投手も辞退の可能性があり、王JAPANが一気に窮地に陥った。
悩み抜いた末の決断は、日の丸軍団にとってあまりに衝撃的だった。沖縄・名護市内のフィットネスクラブでの自主トレを公開した井口は、取り囲んだ報道陣の質問に、自らの胸の内を明らかにした。
「前向きに検討していたが、辞退させてもらうことになった。きのうMLBを通じファクスで連絡しました」ときおり表情を硬くしながらも、結論を出し終えた表情には、一切の迷いがなかった。
最大の理由は、メジャー2年目への熱い思いだ。「僕にとっては2年目が大事。ソフトバンクからマリナーズに移籍した城島の1年目が大事なのは分かるが、僕にとっても2年目が大事。1年目より、もっと結果が求められるんです」昨年は慣れない2番が中心で、135試合に出場。打率2割7分8厘、15本塁打、71打点の数字を残したが、とても納得できるものではなかった。
今季に向けては、確かな追い風も感じている。すでにギーエン監督が、今季は井口の5、6番への打順変更を示唆している。「キャンプ、オープン戦でアピールしないと定位置(2番)に収まってしまう。2番では、昨年みたいな成績になってしまうんです」開幕前に主軸の座を不動のものにしておきたい気持ちは、日に日に強くなっていった。
昨年中に結論を出せなかった理由は、他にもあった。「球団から“出るな”とは言われないが“キャンプに出てほしい”とは言われた。ギーエン監督もベネズエラ代表監督にはならなかった」遠回しな表現を使いながらも、チームからのプレッシャーが存在していたことを認めた。そして「メンバーが発表されても詳細の連絡がなく、選手としてなかなか出場に踏み切れない部分があった」とNPBを含め、大会の運営そのものにも疑問を投げかけた。
いずれにしても、ヤンキース・松井に続いてメジャーリーガーが不参加となった事実は重い。さらに井口は「大塚さんから、電話をいただき“井口と一緒に出たかったが、厳しいかな”と言われた」と、もうひとりのメジャーリーガーであるレンジャーズ・大塚も出場を決めかねている事実を明らかにした。記念すべき第1回大会で世界一を狙う王JAPANに、またも強い逆風が吹いてきた。
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