城島がマリナーズと23億円で契約
日本人捕手で初めてとなる大リーガーが誕生する。プロ野球ソフトバンクからフリーエージェント(FA)宣言した城島健司捕手が3年契約を結んだと、米大リーグのマリナーズが発表した。
城島は福岡市内で記者会見し、すっきりした表情で「最初にオファーをもらった。シアトルの環境もよかったし、誠意も伝わってきた」と話し、マリナーズを選んだ理由などを語った。
契約は3年総額で最大1900万ドル(約22億6000万円)とみられるが、AP通信によると、3年間で年俸分は1650万ドル(19億6400万円)で、残りは出来高払いになる。
日本人捕手がメジャー契約を結ぶのは初めてで、城島は日本人野手第1号のイチロー外野手とチームメートになる。大リーグの1球団に日本人野手が2人所属するのも初めて。
マリナーズのリンカーン最高経営責任者(CEO)は「城島はマリナーズにとって、大きな財産になる。マリナーズのファンは彼のプレーを楽しむだろう」と述べた。
大リーグ移籍の夢を追ってFA宣言した城島は、球団施設や生活環境を視察するために家族を連れて7日に渡米。ロサンゼルス入りした後に、シアトルでマリナーズ幹部と2日にわたって会食し、当初予定していたニューヨーク行きを取りやめて帰国していた。
城島、笑顔交えて会見
日本人初の捕手として米大リーグ、マリナーズへフリーエージェント(FA)での移籍が決まった城島健司選手が福岡市内のホテルで記者会見した。マリナーズを決断した理由について「最初にオファーがあったし、必要としてくれていると、ひしひしと感じた」と話した。
シアトルやシカゴなどを回り、米国から帰国した城島はこの日、スーツ姿で会見に臨んだ。マリナーズ入りが決まり、やりとりの中では笑みを交えながらスッキリした表情で心中を語った。シアトルについて「街の環境もよかったし、誠意も伝わってきた」と気に入った様子。3年契約などの条件にも「十分に高い評価、納得する条件をもらった」と満足できるものだったようだ。
日本人の捕手で初となる大リーグでのプレーには「競争しないといけないし、そんな簡単な場所じゃないことは分かっている」と表情を引き締めた。
◆城島に聞く
―マリナーズに決めた最大の理由は。
「最初にオファーがあったし、十分高い評価をいただいた。必要としてくれているとひしひしと感じた」
―フリーエージェント宣言から3週間。
「家族も含めて1日も早く決めたかった。ほっとしている」
―言葉への不安は。
「あります。でも努力する。マリナーズの監督の野球観を体現していかなければいけないし、投手と長く時間を取っていきたい」
―王監督からメッセージは。
「日本にはソフトバンクという素晴らしいチームがあることを、米国のみなさんにアピールしてこい、と言われた」
―シアトルについて。
「街並みは日本に近い。好印象です。日本のスーパーがあって、それが妻の心をつかんだのではと思う」
マリナーズ・ハーグローブ監督「城島のプレーは見たことはないが、攻撃、守備、捕手としての能力すべてに魅力的な選手だと聞いている。楽しみだ」
マリナーズ・バベシGM「言葉の壁はほかのポジションよりも大変だろうが、彼の能力なら大きな問題にはならないと思う。来年のドラフトで補償する必要のないことが、われわれには大きかった」
山内溥・任天堂相談役「日本人初の大リーグ捕手ということで不安視する声もあると思うが、期待感も非常に高く、メジャーリーグ一流の捕手として活躍されると思う」
城島、勝負の時期迷いなし
城島は米大リーグに挑戦する「勝負の時期」を迷わなかった。
7月にFA資格を取得し米移籍の意向を表明したが、その後右肩を痛める。さらに9月には自打球を左すねに当てて骨折。優勝を争うシーズン終盤を棒に振った。気持ちがなえそうな故障にも、メジャーへの意欲を保ち続けた。
残留を望む球団は話し合いの中で、負傷を気遣い、FA権行使を1年待ってはどうか、という「妥協案」も提示している。城島の答えは「ノー」だった。
来年6月で30歳という野球選手として脂が乗った時期に、自分の力を試す。「捕手は(日本選手が)メジャーに挑戦していない部分の一つ。日本のプレーを向こうでアピールできてこそ、挑戦する価値がある」。発言の中に、わき立つ思いがにじみ出た。
既に、来年から生活する町を最愛の家族とともに訪れた。プロ入り以来世話になり「最初に伝えるべき人」と話していた王監督に決意を伝えた。すべての筋を通し、日本人捕手で初めての道へ突き進む。
王監督は冷静に対応
城島の移籍が発表されたソフトバンクの球団納会。同日午前に福岡市内で行われたゴルフコンペでは、驚きを見せるチーム関係者もいた。出席した孫正義オーナーは、エールを送ると同時に「いずれはホークスに帰ってきてほしい」とファンの思いを代弁していた。
しかし、城島が下した決断を王貞治監督は冷静に受け止めた。城島と会い、米大リーグへの決意を伝えられた。「自分の気持ちとしては、やはりメジャーということだった。野球人の先輩として理解できるところもある」。11年間、ともに戦ったまな弟子の決断を受け入れた。
1994年秋。ダイエー(当時)監督に就任したばかり王監督が、ドラフト会議で1位指名したのが城島だった。兼務するゼネラルマネジャーという立場からも、強く慰留することはできただろう。ただ「こればかりは本人の権利だから」と城島の考えを尊重し続けた。
城島、WBC欠場を示唆
米大リーグ、マリナーズへの入団を発表した城島健司捕手は来年3月の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」について「たぶん出場しないことになると思う」と話した。
WBCでは、ソフトバンクの王貞治監督が日本代表監督を務める。城島は昨年のアテネ五輪で日本代表の4番を任されており、今大会でも攻守の要として活躍が期待されたが、「打診はあったけど、その時期はチーム(マリナーズ)に僕を知ってもらう時期だし、僕もチームを知る時期」と欠場の理由を説明した。
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