M・ジャクソン被告に無罪
子どもに対する性的虐待罪などに問われた米人気歌手マイケル・ジャクソン被告に対する裁判で、米カリフォルニア州サンタバーバラ郡地裁の陪審は起訴された10の罪状すべてについて無罪評決を下した。
検察側が決定的物証を提示できなかったためとみられる。陪審員の1人は記者会見し、無罪評決の理由として「十分な証拠がなかった」と語った。」検察は控訴できず、無罪が確定した。しかし「スリラー」など世界的ヒット曲で知られるスーパースターにとって、子どもとの性的スキャンダルは大きな痛手となった。
評決は、逮捕から約1年7か月ぶり。
起訴状によると、ジャクソン被告は2003年春、当時13歳で被告のファンだった少年をサンタバーバラ郡の自宅兼遊戯施設「ネバーランド」に招き、寝室でワインなど飲酒を強要した上、性的ないたずらなどの行為を繰り返したとされた。
2003年11月に逮捕され、間もなく保釈金300万ドル(約3億2880万円)で即日保釈、昨年4月に起訴された。罪状は性的虐待と未成年への飲酒強要、逮捕監禁の共謀で計10件。公判で証言した証人は約140人、提出された証拠は600点を超えた。
しかし、行為の直接目撃や寝室からの体液検出など決定的物証はなく、検察、弁護双方は、被告の性的行動の動機や少年による「いたずらされた」との証言の信用性をめぐり激しく対立した。
検察側は公判で、少年の証言ビデオを陪審に見せたり、ネバーランドの元従業員らを証人に呼び「被告は名声と富を利用し常習的に少年らにいたずらをしていた」と主張。弁護側は「少年と家族はジャクソン被告の金目当てに犯罪をでっち上げた」と反論、逆に被告を被害者と印象づけるのに成功した。
陪審審議は12人の陪審員が7日間、計約30時間に及ぶ議論を重ねた。
「誠実で綿密な捜査をした。謝ることは何もない」。子どもへの性的虐待罪に問われた米人気歌手、マイケル・ジャクソンさんの捜査を担当したカリフォルニア州サンタバーバラ郡地検のトム・スネドン検事はジャクソンさんに無罪評決が言い渡されたのを受けて記者会見し、悔しさをにじませた。
執念深く事件を追うことから「狂犬」と呼ばれるスネドン検事は、1993―94年にもジャクソンさんの性的虐待疑惑を捜査。しかし、被害者とみられた少年が巨額の和解金で訴えを取り下げるなどしたため訴追できず、煮え湯をのまされた。
「因縁の対決」となった今回は有能な部下を従え、背水の陣で挑んだが、結果は「全面無罪」。会見では「37年の検事生活で陪審の評決に異議を唱えたことは一度もない。決定に失望はしたが、今日、そのルールを破るつもりもない」と言葉少なに語った。
93―94年の疑惑捜査後、ジャクソンさんに歌の中で「冷たい男」と非難されたスネドン検事。記者団を前に「昔の事件と今回の捜査は何の関係もない」と強調した。
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